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2017/08/31 (Thu) ターミネーター

the_terminator.jpg


原題    The Terminator
公開    1984年
上映時間  108分
製作国   アメリカ

監督    ジェームズ・キャメロン
脚本    ジェームズ・キャメロン/ゲイル・アン・ハード

出演    アーノルド・シュワルツェネッガー
      マイケル・ビーン
      リンダ・ハミルトン


あらすじ
 近未来の世界では人間と機械の間で戦争が行われており、一時絶滅の危機に追い込まれた人間たちだったが、一人の男ジョン・コナーの指揮のもと、次第に優勢へと転じていた。しかしジョンの存在そのものを消すために、機械軍を指揮する人工知能スカイネットは殺人サイボーグ「ターミネーター」を、ジョンが生まれる前のロサンゼルスへと送り込んだ。
 知らないうちに危機にさらされることになったジョンの未来の母親サラを救うため、人間側から兵士カイル・リースもまた送り込まれ、ターミネーターとの戦いを繰り広げる。





鑑賞日   17年8月31日
鑑賞方法  Hulu
評価    4.5点


レビュー
 ジェームズ・キャメロン自身の手による2作が製作された後、大型フランチャイズと化した『ターミネーター』シリーズですが、後年のいくつかの作品は正直な話できがいいと言える代物でないものもありました。しかしながらB級映画のコンセプトを見事なSFアクションへと流用した本作は紛れもない傑作でしょう。

 これ以降手がける作品が軒並み高予算の超大作ばかりとなるキャメロン監督ですが、『ターミネーター』を見るたびに、彼の手がける映画の面白さは予算のおかげではなく彼の才能によるものだと再確認させられます。低予算であること、スターとはまだ言えない出演陣、あまりにも特徴的すぎる訛りを持つ筋肉男。ぱっと並べただけでも失敗しそうな要素ばかりですが、それらを逆転の発想で使いこなし、緊迫感溢れる一級品に仕上げてしまうのは神業と言う他ないでしょう。

 もちろん監督の腕前のみならず、メインの3人がとても良い仕事をしている点も映画の素晴らしさのひとつになっています。どちらかというと押しの弱いタイプのリンダ・ハミルトン演じるサラ・コナーが、続編『ターミネーター2』で見られるような"強い女性"に変貌していく様はとても丁寧に描かれています。本作中では目に見える行動で示すわけではないものの、表情の作り方や口調からその強い意志が伝わり、彼女こそシリーズの中心であることを改めて思い知らされるのです。
 今や完全なB級映画でしかお目にかかれなくなったマイケル・ビーンもまた、80年代当時はピークにあったことをどんな人間でも理解できるでしょう。荒廃した未来世界で過ごした男が、写真でしか知ることのなかった女性を目の前に恋に落ちるという、文面にするとバカみたいなシチュエーションでも、彼の瞳を見れば納得してしまうというものです。

 そして何と言ってもアーノルド・シュワルツェネッガー。映画史においてこれほどアイコニックな悪役はダース・ベイダーぐらいのものでしょう。サイボーグであれば関係ないはずなのに鍛え上げられた筋肉や、80年代特有のレザーファッション、そしてきちんと理由付けがされているサングラスという3点セットは、数々のパロディになりながらもやはり本物を見ると心惹かれてしまいます。
 ほとんど口を開かず、たまに話したかと思えば棒読み気味のオーストリア訛りで"I'll be back."。ほとんどSF要素が見当たらないのに、彼の演技が妙にSF感を醸し出しているのも、まさに奇跡です。皮肉に聞こえるかもしれませんが、だれでも1度目にすれば2度と忘れることのないほど印象的なのですから、間違いなく名演と言えます。

 当然、CGIのチープさやあくまでB級である点など、現在の視点から見れば目につく点は多々あるものの、数あるSF・アクション映画でこれほど面白い映画は未だになかなか出会えないでしょう。まだ見たことがないなら今すぐにでも見る必要があるでしょうし、見たことがあるなら何度だって見るべき真の傑作です。

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2017/08/30 (Wed) 俺たちポップスター

popstar.jpg


原題    Popstar: Never Stop Never Stopping
公開    2016年
上映時間  86分
製作国   アメリカ

監督    アキヴァ・シェイファー/ヨーマ・タコンヌ
脚本    アンディ・サムバーグ/アキヴァ・シェイファー/ヨーマ・タコンヌ

出演    アンディ・サムバーグ
      アキヴァ・シェイファー
      ヨーマ・タコンヌ


あらすじ
 ラップ・グループの『スタイル・ボーイズ』として一世を風靡したコナー・ローレンス・オーウェンの3人だったが、次第にコナーにばかりスポットライトが当たるようになり、彼の身勝手な性格も重なりグループは解散してしまう。そしてグループ解散後、ソロとして成功を収めたコナーの栄光と没落の軌跡をカメラは追うことになる。





鑑賞日   17年8月30日
鑑賞方法  映画館
評価    3.5点


レビュー
 ロブ・ライナーによる『スパイナル・タップ』は、80年代当時大仰しいまでに成長を遂げたロック界への愛と風刺を描いた傑作モキュメンタリー(ドキュメンタリー風のフィクション)でした。いくつかの媒体でも「21世紀版スパイナル・タップ」と評された本作は、馬鹿げた外見に反して、意外にもテーマに真摯に向き合って作られたもう一つの傑作なのです。

 21世紀のアメリカ音楽界を舞台にする以上、その標的となるのは間違いなく肥大化したポップミュージックに他なりません。ありきたりなメロディ、意味のない歌詞の繰り返し、しつこいほどのラップパート。そのようないわゆるステレオタイプを的確に観察し模倣した曲を冒頭から湯水のように使用し、観客をエゴの渦巻く世界へと映画は放り込みます。(ただし関わっているミュージシャンが大物ばかりなので、「あれ、いいなぁこの曲」とそのキャッチーさに多くの人は惹かれるでしょう。)

 もちろんパロディはそれだけにとどまらず、ポップアイコンそのものにも切り込んでいきます。今回主役であるコナーは、昨今話題に上がるスターたちの悪いところの寄せ集めのようなキャラクターです。取り巻きを侍らせ、自分が王様だと言わんばかりに傍若無人に振る舞いますが、数々のプロデューサーを揃えた自作のソロアルバムは大爆死。その自作の曲も、社会へのピントのずれた提言や女性蔑視に塗れ、そのひどい私生活も相待って多くの批判にさらされていきます。不思議なことに、ここまで極端でなくとも似たような人間が思い当たってしまう点がこの映画の怖いところでしょう。

 上記のような直接的に音楽に関わる部分はもちろんのこと、その他の馬鹿げた小ネタも含め、かなり念入りに構成されているので妙な信憑性を持っているところから製作陣の力の入れ具合がわかります。監督・製作・脚本・主演を担当した『ロンリー・アイランド(3人組のコメディグループ)』が自分たち自身の関係性をそのまま劇中の役に取り入れている点も、不思議なリアリティに一役買っているのでしょう。バラバラだった3人が如何に仲直りするのかという物語上の軸になるエピソードがなかなか感動的なのも頷けます。

 惜しむべきは、その仲違いした『スタイル・ボーイズ』の関係に話がフォーカスしていくので、前半では怒涛の勢いで描かれた風刺的描写が次第に薄れていくことでしょう。モキュメンタリーというスタイルが唯一無二の価値を生み出していたにもかかわらず、最終的にそこから離れてしまっては普通のフィクションのコメディ映画と大差ありません。ドキュメンタリータッチという構図から軸足を動かさなければ、真の意味での「21世紀版スパイナル・タップ」になれたかもしれません。

 そのような欠点はあるものの、それがこの映画の笑いの要素を損なうようなことはありません。アメリカ音楽を知る人ほど、「俺たちポップスター」の馬鹿げたパロディに終始笑わされることに違いはないのですから。

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2017/08/12 (Sat) ザ・ロック

the_rock.jpg


原題    The Rock
公開    1996年
上映時間  136分
製作国   アメリカ

監督    マイケル・ベイ
脚本    デヴィッド・ウェイスバーグ/ダグラス・S・クック/マーク・ロスナー

出演    ショーン・コネリー
      ニコラス・ケイジ
      エド・ハリス


あらすじ
 その昔海兵隊の英雄として名を馳せていたハメル准将は、ある作戦に参加した部下たちがアメリカ政府によって見殺しにされた事実に、不満を抱いていた。彼らの遺族への賠償金を勝ち取るために実力行使に出た准将たちはアルカトラズ島を占拠し、要求が通らなければサンフランシスコの街をガス兵器で攻撃すると政府を脅迫する。
 そんな彼らの作戦を止めるために、FBIの科学班に所属するグッドスピードは元アルカトラズ刑務所の囚人メイソンと共に、テロリストの巣食うアルカトラズに潜入する。





鑑賞日   17年8月4日
鑑賞方法  Blu-ray
評価    3.5点


レビュー
 基本的にはいつものマイケル・ベイと同じく、ほとんどあってないような脚本に、アクションに次ぐアクションを肉付けしたという構成になっています。しかしこの『ザ・ロック』は、おそらく彼の作品の中でもっとも良心的な存在と言えるのではないでしょうか。

 正直な話、テロリスト集団の計画性やシールズ部隊による作戦の甘さなど、あまりに馬鹿げた点も多くジョークにすらならないような点も数多くあります。すべては主演の2人にスポットを当てるための駒でしかなく、どのキャラクターが戦死しようが、こちらにはこれっぽちも同情する気が起きません。
 ただし決してそれは間違っていることではなく、この映画においては正しい選択なのです。徹底的にメインのキャラクターのみを追うことで少なくとも本筋に関してはとてもテンポが良くなり、まさに手に汗握る展開が待ち受けるのです。

 もちろんこれだけだと、その他の彼の作品と大差ありません。主演に焦点が当たるということは、当然彼らに魅力がなければ話になりません。その点、ニコラス・ケイジとショーン・コネリーという2人なら間違い無いと言えるでしょう。
 普段のシーンですら大味な演技になってしまうケイジと007時代からほとんど進歩の見えないコネリーは、作品によっては最悪な相性となり得るでしょうが、このアクション大作においては完璧なコンビネーションを発揮しています。繊細な若者と大胆不敵な老人という組み合わせもユニークで、彼らの掛け合いを見られるだけで前後の茶番も許せてしまうというものです。

 そして何と言ってもエド・ハリス演じるハメル准将。誇り高い軍人としての側面を強く見せ、紋切り型のテロリストのボスには決してなりません。脚本段階から彼のキャラクターに深く切り込んだおかげで、薄っぺらなはずの敵味方の関係性に重厚感が表れ、不思議とセリフにも詩的なトーンが生まれてくるのです。

 いくつかの構成の甘さは鼻につくものの、トータルとして見ればそれすらも魅力に変えてしまうような力強さを『ザ・ロック』は持っています。『バッドボーイズ』が往年アクション映画の模倣に過ぎなかったのに対し、この映画はそのものがクラシックとなりうるのです。傑作とは言いがたいかもしれませんが、思い出した時に何度でも見てしまう映画には違いありません。

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3点〜2.5点=微妙
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