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2013/02/05 (Tue) 塀の中のジュリアス・シーザー(映画館で鑑賞)

塀の中のジュリアス・シーザー

原題:Cesare deve morire(英題 Caesar Must Die)

監督:パオロ・タヴィアーニ
   ヴィットリオ・タヴィアーニ
脚本:パオロ・タヴィアーニ
   ヴィットリオ・タヴィアーニ
出演:サルヴァトーレ・ストリアーノ
   コジモ・レーガ
   ジョヴァンニ・アルクーリ


あらすじ
 実際の刑務所を舞台に本物の服役囚たちを起用し、シェイクスピアの戯曲「ジュリアス・シーザー」を演じることで起こる囚人たちの変化を描き出していく。ローマ郊外にあるレビッビア刑務所では、囚人たちによる演劇実習が定期的に行われており、ある年、シェイクスピアの「ジュリアス・シーザー」が演目に選ばれる。オーディションでブルータスやシーザー、キャシアスなどの役が次々と決まっていき、本番に向けて刑務所の至るところで稽古が行われる。すると囚人たちは次第に役と同化し、刑務所はローマ帝国の様相を呈していく。





評価:4.5点(5点中)


レビュー
 この映画に出演する俳優たちは一部を除いて本物の囚人だ。しかもそのほとんどが重罪人で、映画を見る限り最も軽い刑でも15年ほどの服役を課されている。そんな彼らによる映画が個性的でないはずが無い。

 映画の構成がとても面白い。他の映画ならおそらく舞台が出来上がるまで囚人たちが練習する過程を追い、最後に完成した舞台を撮影するだろう。だがこの映画は練習風景さえも「ジュリアス・シーザー」のひとつのシーンとして映し出す。だから観客の目には「演技をしている囚人」と「劇の中の人物」が交互に映り、不思議な感覚に囚われる。
 その特徴的なシーンがシーザーを演じるジョヴァンニとディシアス演じるフアンの合わせの場面。なかなか元老院に行こうとしないシーザーをなんとか出席させようとディシアスがおべっかを使うのだが、途中でジョヴァンニが台詞にはない言葉を口にする。フアンが彼の悪口を影で言いふらしている、というのだ。元々の性格が役にぴったりだったのか、役が性格に影響したのかは分からない。だがその場にいる他の役者も、映画を見ている観客も現実と創作物の区別が一瞬つかなくなる。こんな効果を生み出せるのはこの映画だけだ。

 当然囚人たちは素人なので演技指導もされているだろうが、それにしても上手い。なんの背景も小道具もないところで彼らが演技を始めると、途端に目の前にローマの風景が浮かび上がる。
 唯一本物の役者である(といっても'06年までは同じ囚人だった)サルヴァトーレは格別だ。彼は練習時間でないときも演技の練習を続け、役のブルータスに完全になりきる。ある台詞が彼の過去を思い出させるのだが、この場面はまさにこの映画のテーマでもある。「ジュリアス・シーザー」の物語は言ってしまえば裏切りと殺人で色塗られた話だ。登場人物たちと同じように罪を犯した囚人たちには、その台詞のひとつひとつが心に訴えかけるのかもしれない。演技中の彼らも、それが演技なのか本当の感情なのか分からないこともあるだろう。その異常なまでの感情移入が迫真の演技となり、見る者を引きつける。

 どれほどなのかは知らないが、おそらく「現実」と見せかけた演出されたシーンもあるだろう。だが映画に創作はつきものだ。「舞台が完成するまで」ではなく「舞台」そのものを映像化している、と言った方が近いからそれは指摘するポイントではない。重要なのは見ている者の心に響くかどうかだ。現実と虚構の壁を取り払うことで、見る者を惑わせ、感情にダイレクトに伝えてくる。この点では「塀の中のジュリアス・シーザー」は大成功だろう。

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