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2017/07/28 (Fri) バットマン ビギンズ

Batman_Begins.jpg


原題    Batman Begins
公開    2005年
上映時間  140分
製作国   イギリス/アメリカ

監督    クリストファー・ノーラン
脚本    クリストファー・ノーラン/デヴィッド・S・ゴイヤー

出演    クリスチャン・ベール
      マイケル・ケイン
      リーアム・ニーソン


あらすじ
 両親を悪漢に殺されたブルース・ウェインは、故郷のゴッサムシティを出て、一人チベットの奥地で「悪と対峙すること」とは何かを知ろうとしていた。そんな折に、太古から悪を討伐するために暗躍してきた「影の同盟」の一員であるヘンリー・デュカードからスカウトを受ける。悪と戦うための様々な訓練を施されたブルースだったが、「影の同盟」の思想に疑問を感じ、結果離反する。
 ゴッサムに戻った彼は、執事のアルフレッドたちの支援を受け、今やアメリカ有数の犯罪都市と化した故郷を救うため、バットマンになることを決意する。





鑑賞日   17年7月21日
鑑賞方法  Blu-ray
評価    4点


レビュー
 私が初めて劇場で見たバットマンはこの作品でした。当時はティム・バートン版の前日談だとてっきり思っていたので、このあとさらに有名になる続編群が登場した時は喜びでいっぱいになったことを覚えています。どちらにせよ、いわゆるシリーズ物の一角には変わりないのですが、今回はそういった視点ではなく、あくまで一作品として捉えて鑑賞しました。

 初めて見た時は、「影の同盟」やラーズ・アル・グールなど、妙にアジアンチックなテイストに違和感を感じたことを覚えています。もちろん原作を知った今では当たり前のように受け入れられる事実ですが、実際のところこの「ブルース・ウェインの帰還」までのパートはあまり興味を惹かれる部分でないことは確かです。舞台がゴッサムシティに移ってからの描写に比べ、あまりにもコミック的な表現は、全体としての統一感で見た時、ぴったりと噛み合うピースではありません。リーアム・ニーソン演じるデュカードとのあまり深いとは言えない師弟関係や、渡辺謙のあまりにあっけない死など、本当に原作から引用する必要があったのか疑問に感じる点が数多くあります。これは物語の終盤に大きく関わる部分なので、そういった意味では重要かもしれませんが、あまりに適当などんでん返しなのでやはり首を傾げずにはいられないのです。

 しかし、場面がゴッサムシティに変わると、俄然物語は面白くなってきます。「ヒーローがヒーローになるまで」という、はっきり言ってしまえば、この手の映画で最もワクワクする展開が待ち受けているのだからもちろんです。バートン版『バットマン』ではその過程が描かれるわけではなかったので、この部分は『ビギンズ』ならではと言っていいでしょう。
 少しスチームパンク風のゴッサムシティは、コミックと現実の良い部分を上手いこと掻い摘んでいて「バットマン」でしか描けない世界観を堪能できること間違いなしです。またフランク・ミラーによる『イヤーワン』と、その続編を想定して描かれたジェフ・ローブ及びティム・セールによる『ロング・ハロウィーン』をかなり明確に意識して描かれており、ノワール調でありながらもリアルなヒーロー像を提示しています。正直な話この2つと同様、素直にマフィアをメインの敵にすれば良かったのではないかとも思ってしまうのです。それほどに、原作に最も近いバットマンがこの映画にはいると感じています。

 各キャラクターについては、良し悪し両面があります。クリスチャン・ベールによるバットマンは、散々言われていることですが、やや大げさな感じも受けます。ところどころ変にコミカルなこの映画を体現する存在とも言えるでしょうか。ブルースでいる時は、自らの真のアイデンティティを近しい人間にも隠さなければいけない苦悩などが見え、なかなか奥深いキャラクターですが、これが仮面をかぶった途端、わざとらしい声色に加え「I'm batman.」というセリフの連発。コミックではおかしくなくても、実写にすると滑稽になってしまうことにはどこかで気づくべきでしょう。
 アルフレッドは、あくまで影から支える存在という原作での立ち位置よりも、頼りになりすぎている気がしますが、ブルースの内面の成長がフィーチャーされている今作では安心できる存在でもあります。ゲイリー・オールドマンの少しコミカルなゴードンも、重苦しくなりがちなノーラン作品の清涼剤になっています。その他の協力者たちも、多少大げさなところはあるものの、総じて丁寧に演じられていて好感の持てる人物ばかりです。

 前述の内容にも関係してきますが、敵についてはもう一声といった所でしょう。キリアン・マーフィーによるスケアクロウは、原作でもファンの多い存在であり、神経質さと冷酷さが相まった演技は今作では出色のものです。だからこそあっさりと退場してしまうのにはかなり残念です。そのあと、ただのチンピラと化す彼の運命を考えると、宝の持ち腐れにしか思えません。
 リーアム・ニーソンの威厳ある立ち居振る舞いは悪くないものの、「影の同盟」の陳腐な目標とは馴染めていません。やはり空想の世界と現実の融合の難しさはここでも感じられます。

 他にも大仰しいタンブラー(バットモービル)やわかりづらい戦闘シーンなど、問題点は多くあります。しかしながら、そういった多くの問題点の多くは非常に些細なもので、やはりバットマンが登場し、暗闇の中敵を引きずり込み倒す瞬間は興奮せずに入られないものです。下手なCGに頼りすぎないという監督の選択も、展開に重厚感を与える上で一役買っています。
 総合して、バットマンの誕生譚として見た場合、この映画のプロットは間違いなく見事と言えます。長い歴史の中で積み重ねられた「バットマン」という一つのヒーロー像を丁寧に紐解き、再構築した結果できあがったノーラン版「バットマン」がヒーロー映画のみならず、多くの映画や原作にも影響を及ぼした点は至極納得のいくものなのです。初めて「バットマン」に触れる人にはもちろん、大人にこそ見て欲しいヒーロー映画は、まさしくこの映画が正真正銘の元祖なのではないでしょうか。

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