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2017/10/06 (Fri) みんな〜やってるか!

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英題    Getting Any?
公開    1995年
上映時間  110分
製作国   日本

監督    北野武
脚本    北野武

出演    ダンカン 他


あらすじ
 とにかく冴えない男、朝男は女とセックスがしたくて仕方がなかった。自分の夢と欲望を現実にするために行動を起こすも、頓珍漢な自分自身のせいでうまくいかず、当然女たちには見向きもされない。それに加えて朝男の周囲もどうしようもない人間ばかりとくれば、ただ事では済まないのである。





鑑賞日   17年10月5日
鑑賞方法  DVD
評価    2点


レビュー
 コメディ映画というものを実際に面白おかしく作り上げるのは相当の努力が必要になるでしょう。最低でも1時間半はあるであろう長尺の間、観客を笑いの渦に飲み込むのは作り手に相応のセンスが求められるのです。お笑い界そして映画界のどちらでも重鎮となったビートたけしにとっても、「笑える映画」は一つ大きな目標として掲げられていたのでしょう。少なくとも、この映画がそれを成し遂げられていないことは明白ですが。

 正直、筋らしい筋はほとんどありません。本当にあらすじの通りで、(エロ目的以外)ほとんど表情の動かないダンカンが演じる朝男が、ナンパを成功させるために馬鹿げた計画を繰り返します。結果的に彼自身の知能の低さと、いまいち噛み合わない周囲の人間のせいでもちろん失敗はするのですが。
 意外にもこのメインとなるコンセプトは悪くないのです。むしろ他の映画においてたけしがよくテーマに使っていた「狂気」や「執念」がそっくりそのまま「性欲」に変わっているだけで、わずかではありますがその異常性に対する気味の悪さには共通するものがあります。特に監督第二作の『3-4x10月』とは、メインの役柄にダンカンを使っていることもあり、「若者の狂気」という意味でもいくつかの類似性が見られます。このような点から推測されるに、おそらく監督の本来の意図は、通常であればくだらないと一蹴されるような妄想や性癖が、現実世界における私たちが持つような既成概念をぶち壊していく様を映し出したかったのでしょう。

 しかしながらその「馬鹿馬鹿しい世界」を本気で作り上げようという製作陣の心意気があまり見えないのが、このコメディにおける最大の難点なのです。
 圧倒的に目につく構造上の問題では、趣旨から外れた多すぎる小ネタが真っ先に上がるでしょう。上記の序盤のコンセプトを放棄し、時事ネタとも言えないくだらないパロディや本筋に必要のないキャラクターへのフォーカスなど、やりたいことをひたすら詰め合わせたかのような乱雑さばかりが次第に目につくようになります。もちろん、脈絡のない展開自体を一種のシュルレアリスムとして捉えるという見方もできますが、それでもより深い抽象度を持った主軸は必要不可欠であり、中盤以降の展開にはそれがまったく見受けられません。

 また内容以前の問題で、セットや備品のチープさが完全に悪い方向へと作用しているのも欠点と言えます。単純に地上波で流れるコント以下のクオリティに見えるという理由もありますが、何よりその不真面目さが「馬鹿げている」はずのストーリーを丸々多いかぶしてしまっているのです。
 実のところ、これは登場人物たちの配置においても同様の説明ができます。本来ならば主演のダンカンがこのめちゃくちゃなストーリーを引っ張っていかなければいかないところを、監督が目指す「馬鹿げた世界」の小道具の一つに成り下がり、誰も彼もがバカをやることで、本当にめちゃくちゃになってしまったのです。
 北野映画において見どころとなる点の一つに「シリアスな場面に潜む笑い」があります。彼はそれをよく理解しているにも関わらず、ここではその技法をあえて放棄し、真逆の表現、すなわち何もかもが緩んだままの場面を延々と繰り広げる展開を選択してしまいました。全体において、そういった緩急の見極めが甘い点も、面白くないコメディに仕上がった遠因と言えるでしょう。

 でも「最悪」になることを回避しているのは、評論家の淀川長治も言及したように、古き良きスラップスティックな仕掛けが随所に加えられている点なのです。朝男が殺し屋に勘違いされ組員と協力関係を結ぶ(おそらく作中で最も意味のないくだらない)展開では、繰り返し行われるギャグが不思議と笑いを生み、あと一歩で飽きるところをギリギリのところで止めています。終盤のたけし自身が「透明人間推進協会・会長」として登場する際のエピソードも、ベタもいいところではありますが、本筋に戻ってきたこともあってなかなか悪くないのです。(とはいえ、そのあとの『ザ・フライ』のパロディから始まるおふざけは蛇足もいいところですが。)

 全体を通して見ると、監督の目標が成し遂げられていれば、一転して傑作に変わっていたかもしれない可能性はちらほら見受けられます。ですが、出来上がったのはこれなのです。とてもじゃないけど、褒められない。でもガダルカナル・タカの”あれ”を見て笑ってしまった以上、自分はこの映画が好きなのかもしれないとも思ってしまうのです。

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