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2017/10/13 (Fri) ストリート・オブ・クロコダイル

street_of_crocodiles.jpg


原題    Street of Crocodiles
公開    1986年
上映時間  21分
製作国   イギリス

監督    ブラザーズ・クエイ (スティーブン・クエイ/ティモシー・クエイ)
原作    ブルーノ・シュルツ 『大鰐通り』

出演    フェリクス・スタウィンスキ





鑑賞日   17年10月13日
鑑賞方法  Blu-ray
評価    4点


レビュー
 実のところクリストファー・ノーランが“Quay”という短編ドキュメンタリーを製作するまで、クエイ兄弟のことはまったく知りませんでした。しかしある界隈においては非常に名の知れた存在で、テリー・ギリアムやティム・バートンといった悪夢のような映像表現を好む製作者たちに数々のインスピレーションを与えてきたそうです。特に今作『ストリート・オブ・クロコダイル』は兄弟のフィルモグラフィにおいても屈指の傑作と言われ、イギリスの著名な映画誌“Sight and Sound”上である批評家から歴代映画ベスト10に選ばれたこともあるそうです。

 このレビューであらすじを記載していないことからお分かりかと思いますが、彼らの作品の多くは明瞭なストーリーが存在せず、不条理文学の世界をそのまま映像化したような場面が続きます。ここで展開されるのは、無機物たちが地面を這う虫や千切れた手足のように生々しく蠢くなんとも不気味な世界と、そこに放り込まれた主人公らしき男の人形の顛末です。もちろんその物語にオチも何もあったものでは無いのですが、不思議なことにある一定のペースと流れは確実に存在し、自身の眼前になぜこれが存在するのか理解できなくても、多くの人はそのクラクラするような強烈なイメージの箱に引き込まれることでしょう。

 またビジュアルも際立っており、箱の中に赤黒いサビで覆われた廃墟のような街並みが展開されているというコンセプトも非常に魅力的です。随所に登場する仕掛けとなる紐の数々も先行きの分からない不穏さとじっとりとした緊張感を暗示していて、直接的な描写が少ないにも関わらず、どことなく不愉快さを感じさせる奇妙な感触としてこちらに伝わってきます。

 さらに映像表現においても特筆すべき点は多いのです。遠近感を意識したフィルム撮影、鏡・ガラス越しに映った対象物を捉えるカット、自然光を意識した照明など見事な場面の連続で、ストップモーションアニメのみならず実写映画にも影響を与えたことが頷けます。実際これを見た後だと、前述のクリストファー・ノーランによる初期の作品群がクエイ兄弟の影響を受けていることは明白です。

 じわりじわりと観客を引き込んだ最後に原作のモノローグで唐突に終了してしまうという、突き放すようなエンディングは単純に安易な選択と思えて仕方ありませんが、そこに至るまでの過程は唯一無二のものでしょう。芸術を表現するツールとしての映像をよく理解する人間だからこそ描写できる、混沌としながらも美しい作品です。是非とも原作、そして彼らに影響を与えた芸術家たちについて学んだ後にもう一度触れてみたいと思わされました。

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